1月26日(金)JR新大久保駅で起きた悲惨な事故のニュースに接し、大きな衝撃を受けました。わが身の危険を顧みず他人の命を助けようとしたこの二人の気持ちを考えたとき自分ならばどんな行動をしたのだろうかという思いに駆られます。日本に留学して、日韓の架け橋になろうとした李秀賢君、カメラマンとして立派な仕事をなさっていた関根史郎さん、この二人の勇気に対して心から尊敬の念をもちました。特に、日韓の近代の歴史において不幸な出来事が多かった両民族に、この小さくて大きな事件が深い意味を投げかけている気がします。人と人とが尊敬し合い、民族と民族が手を取り合い、国と国とが友好の輪で結ばれる明るい未来の到来のような。。。。日本で生まれた韓国人として、音楽を通じて日韓の文化交流を深めていきたいと願っている私にとって、この事件は悲しいけれども勇気を持てと問われているような気がします。そして私は哀悼の意をこめて、明日2001年1月31日(水)午後3時、JR新大久保駅のホームで、このお二人に私のヴァイオリン演奏をささげたいと思います。関根史郎さんには<平城山(ならやま)>、李秀賢君には<カゴパ(帰りたい)>をそれぞれささげるつもりでおります。
なお、3月2日(金)午後7時よりサントリー小ホールにて李秀賢君、関根史郎さんをしのぶ追悼コンサートを開く予定です。この収益金は全額お二人のご遺族にお見舞金としてお送りいたします。
2001年1月30日午後10時
ヴァイオリニスト ジョン チャヌ (丁讃宇)
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